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流氷の姿1


ヒダベリ
イソギンチャク1


クリオネリマキナ


ヒダベリ
イソギンチャク2


ホヤノ仲間


キタユウレイクラゲ1


キタユウレイクラゲ2


クモヒトデの仲間

連載エッセイ

第30回
「知床の流氷とクリオネ」

ズワイガニの子
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タラバ蟹の子
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波の音聞けます

Photo and essay * Photographer * JIMMY 工藤氏


流氷は「ロシア国アムール河」の豊富な栄養を含んだ川水がオホーツク海の海水を 薄め、厳しい寒気で海水が結氷したものが、流氷となり、風や海流の影響でオホーツ ク海を南下してきます。

アムール河は自然の栄養を豊富に含んでいるおかげでプランクトンが大量に発生し、 魚の食物連鎖を助け、オホーツク海の豊富な水産資源の源になっています。

よくそく類、こんな字だったかな「翼足類」の「クリオネリマキナ」が 皆さんよく耳にする「クリオネ」といいます。
大きさは大体「5?」ぐらいから大きなものは「40?」あります。
このクリオネが流氷と一緒にやってくるのです。
クリオネは貝殻を持たない、裸カメ貝の仲間で、同じ仲間のよくそく類の「ミジンウキマイマイ」を 頭の部分に見える王冠状の口を開き、食べる生き物です。

流氷の海水温は2度より低く、ダイビングするにも厳しい状態です。
流氷のある海に潜るには「ドライスーツ」を着込みます。
どのようなものか説明致しますと、 赤ちゃんのおくるみ状の「宇宙服」に似たデザインに厚さ6?のネオプレーンゴムで 作っています。手と顔の部分を除き、完全防水になっています。

背中の左右の肩にかけて、防水チャックが付いていてこの部分から体を出し入れします。
インナーにはフリースの上下やセーターを着込み、もちろん靴下も、分厚い手編みのものでなければなりません。
他方「手」は今までどうりの、ウエットスーツと同じ造りで冷たい海水が入ってきますので保温を優先して5?の厚さが必要です。

ですが手は冷たく、スキーグローブをはめている感覚でカメラ操作の微妙な感覚はまったくもってありません。
またフルフェースの帽子も同じ状態でレギュレイターを咥える部分と目の部分が もうしわけ程度小さな穴が孔き少しでもずれると、冷たい海水がなだれ込んできます。
このような重装備ですから当然暖かな国でウエイトが2キロで済むのが、 浮力がすごくウエイトだけで15キロ必要です。
ですから全装備を入れると45キロくらいになります。

全ての装備を身に付けてから海に入るのですが、その時点で疲労ダイバーになってしまいます。
この様な重装備にもかかわらず、水温が低いため20分くらいの潜水が限度です。
どんなに根性がある人間でもこれ以上は無理でしょう。
感覚的には最初、超ー、冷たいなーから痺れに変わり終いには無感覚になります。

流氷の海に投げ出された人は5分しか命は持たないと言われていますが、 体でもって体験しました。
「クリオネ」の撮影ははっきり言って非常に難しいです、原因は濁った海水の中で、 小さなクリオネを探す出すのが容易ではないのと、見つけて近づくと、 私が移動した海水の流れに押され、くるくる回転し離れる一方です。

被写体が小さいので「マクロレンズ」といい接写に向いたレンズを使うのですが、 このレンズは被写界深度が浅い欠点がありピントを合わせるのが容易でありません。
ですから、凍えた固まった手でピントを合わせるのは至難な上クリオネが丁度正面を 向いたときにピントとシャターチャンスが合わなければ、撮影は成功しません。

このコーナーに貼ってあるものは20枚くらい撮影したものの中で 一番状態が良かったもので、下にいたものを見つけ、逆さ状態で撮影しました。
大きさは10?くらいの小さな物でしたが、綺麗な形をした「クリオネ」でした。

続く......

次回は「オホーツク海」をお送りします。
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